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パーマカルチャーとは ~環境を良くする、環境再生型の暮らしかた~

パーマカルチャーを学んで2年目のあやです。パーマカルチャーのクラスでは、毎回様々な分野で活躍する講師陣の、目からうろこ話が盛りだくさん、講義のあとはヘトヘトで、毎回消化不良を起こしています。 知れば知るほど、希望や勇気がわくパーマカルチャーのこと、興味を持たれた方に、少しでもエッセンスを分かち合えたら、とても嬉しいです。

パーマカルチャーの概要と必要性

パーマカルチャーの語源と広がり

パーマカルチャーとは、permanent(持続可能な/永続的な)、agriculture(農業)、culture(文化)の造語で、持続可能な農的暮らしや文化のこと。森や土、生態系が壊され、危機を抱いたオーストラリアの生態学者ビル・モリソンとデビッド・ホルムグレンが1970年代に提唱しました。

現在世界60カ国以上で実践、日本では1996年にパーマカルチャー・センター・ジャパンが設立。初の「パーマカルチャーデザイナー」資格取得ができる教育施設として開校し卒業生は2000人以上、日本各地に様々な学びや実践の場が広がってきています。

パーマカルチャーは、森がお手本

過去50年で生物多様性は68%減少、毎年4万種の生物種が絶滅しているとも言われています。人と自然がともに豊かに共存できるよう暮らしをデザインするパーマカルチャー。お手本は自然の森。多様な命がすべて支え合い、1つの無駄(ゴミ)もなく循環することで、自ら持続可能な森を保っています。

人も自然の一部。自然の仕組みを学び、それに沿った暮らしをすることで、自然だけに任せるより何百倍も早く土を豊かにし、多様な命を生み出す環境を創り出すことができます。

生物多様性が、温暖化や自然災害の被害をも食い止める

土は生物多様性が豊かになることで、膨大なの量の二酸化炭素を貯めることができます。2015年に提唱された「4パーミル・イニシアチブ」では、世界の土に含まれる炭素量を毎年0.04%増やしていけば、世界は二酸化炭素の増加量をゼロにできるとされ、農業の分野で「カーボン・ファーミング」としても注目を浴びています。

森の仕組みを活かし、多様な命が支え合い、豊かな土を作るパーマカルチャーの農と暮らしは、人にも地球にも優しく、実際に温暖化を食い止め、干ばつや、水害に強く、土砂災害の防止にもなることが、わかっています。

パーマカルチャーで大切にしていること 3つの倫理

『地球に対する配慮』

命輝く奇跡の星、地球。今日生きるすべての命が、40億年前の生命誕生から、1度も途切れることなく受け継がれてきた尊い命です。土や水、空気など、人とすべての命を育む母なる地球を大切にしよう。

『人間に対する配慮』

森では多様な生き物が一つとして否定されることなく、自然の恵みを受け、生きることで自然と互いに支え合っています。人は誰でも、この地球を生命にとって、より豊かにすることができます。自然とのつながりや、他の命の役に立つことで得られる深い喜びの感覚は、人の存在に絶対的な価値を生み出します。自分や人が、ともに喜び、本当にやりたいことが実現できるよう尊重し合おう。

『余剰物の共有』

「一粒万倍」の言葉通り、自然は常に余剰を与え、都会から離れると野菜のおすそ分けが当たり前のように行われています。太陽も、雨も、自然は無償でその恵みを分け与えています。食べ物、技術、情報、資源など、みなで分かち、生かし合う関係性は、感謝と信頼に基づく、誰もが安心して暮らせる地域社会の創造につながります。

パーマカルチャー 4つの原則
ー自然が自らを永続可能にしている仕組みー

『循環』

暮らしの中で、栄養や水、エネルギーが循環し、外に流出しないような仕組みをつくります。野菜くずや生ゴミを堆肥にしたり、コンポストトイレを作り排泄物を土に還せば栄養分が循環します。水も、田畑などに利用しながらゆっくり流し、家庭の排水は、微生物や植物の栄養源としながら浄化すれば、土に戻して循環することができます。暮らしの中で、資源を無駄なく循環させることで、土は豊かさを保ち、多様な生き物を育むことができます。

『多重性』

森は、高木、少し低い亜高木、弱い光でも育つ低木、ツル性の植物などが、空間を余すところなく使っています。敷地内でもそのような植栽で栽培すれば、空間や日光を無駄なく立体的に活用することができます(空間の多重性)。

他にも、様々な成長段階の命の混在(時間の多重性)や、例えば1本の木に、防風、木陰、食料、建材、燃料、水や土の保持など様々な役割を見出すこと(機能の多重性)、そして水道、井戸、川など、ライフラインの複数バックアップ(拠り所の多重性)などを考え、時間や機能を最大限有効に活用し、命を守る仕組みを万全にします。

『多様性』

寒さ、暑さ、湿度など、人と同じく生き物の好みはそれぞれです。多様な生き物がいることで、協力関係(栄養や水の供給、病害虫予防など)も生まれ、生態系は安定し、天候が不順なときでもその環境に強い生き物が育つことができます。

『合理性』

自然の中には、より多くの命が育まれる理があり、その理にかなうことが合理となります。人が自然に逆らえば、多大な労力を必要としますが、自然に育ちやすい環境さえ整えれば、あとは自然の力が働き、あまり手をかけずに育っていきます。土地の利用方法も、移動時間や労力の無駄のない配置にしたり(ゾーニング)、少ない労力で豊かになる仕組みを作ります。

編集後記

パーマカルチャーの基本について、改めてテキストや講義メモを見直しながら、初めての原稿書き。一緒に勉強している仲間たちの活発な質問や、それに応える講師の熱量を思い出しながらの楽しい時間でした。今後も少しずつ、パーマカルチャーの奥深く素晴らしい世界を、みなさんと共有していけたら嬉しいです。

参考

『パーマカルチャー自給自立の農的暮らしに』パーマカルチャー・センター・ジャパン編(創森社)
・未来の暮らし研究所 四井家オンラインサロン

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