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パーマカルチャーが大切にする3つの倫理 -3 Ethics-

パーマカルチャーには”正解”という明確な答えがあるものではありません。ですが、そこがまた、パーマカルチャーの魅力でもあり、好奇心がくすぐられる要素でもあるのです。
答えのないパーマカルチャーですが、パーマカルチャーを実践をするうえで、大切にしている”パーマカルチャーの3つの倫理(3 Ethics of Permaculture)”というものが存在します。
今日は、そんな、パーマカルチャーで大事にされている3つの倫理について、深い理解が語られているDeep Green Permacultureの記事を参照しながら、ご紹介したいと思います。

パーマカルチャーの3つの倫理(3Ethics of Permaculture)

パーマカルチャーのコアとなる考え方、行動指針とも言える、3つの倫理をご紹介いたします。

1. Earth Care(地球のケア/地球を大事にすること)
2. People Care(人のケア/自分も人も大事にすること)
3. Fair Share(公平な分かち合い/みんなで分かち合うこと)

私がパーマーカルチャーを学んだ、PCCJのパーマカルチャーデザインコースでは、「そもそも”倫理”とは何なのか?」という問いから、このテーマについての講義とディスカッションが行われました。
詳細はここでは語りきれませんが、倫理とは、”人々が共に、よりよく暮らしていくために、大事にされる想い”のようなものなのではないかと考えるようになりました。
特にパーマカルチャーの3つの倫理の特徴として感じたのは、その表現方法(行動)が定められていないことにあるのではないかと思います。

規則に定められているような、”Have to(~しなければならない)”ものだからではなく、よりよい暮らしのために、”Better to(~したほうが良さそう)”だからやってみる。
そうして自分の頭で考えてやってみる過程に、人の創造力の可能性を見るのがパーマカルチャーなのかもしれません。

Earth Care(地球のケア/地球を大事にすること)

地球は私たちを支えているものであり、空気、水、食料、住居など、私たちが生きていくために必要なものをすべて提供してくれます。そして、これらの必需品は地球からしか手に入りません。私たちは、生存のために地球と地球上のすべての生命システム(ちなみに、これらはすべて複雑で相互依存的な生命の網でつながっている)に依存しているのです。
地球を大切にすることは、土を大切にすることでもあります。生命は生命に依存しており、土そのものが、実は植物の生命を支える非常に複雑な生きた生態系なのです。植物が高等生物を支えることで、私たちは直接的にも間接的にも食料を得ることができるのです。

引用元:Deep Green Permaculture

SDGsやエシカルが叫ばれる近年では、地球を大切にすることの重要性を少なからず理解する人も増えているのではないでしょうか?

そのなかでも、私が特に重要だと感じたのが、「土を大切にすること」です。
皆さんは土がどのように出来ているのかを知っていますか?
私たちと土のつながりをいつ、感じていますか?
私たちと土は、食べ物を通して常につながっています。
そんな土を私たちが育むということは、私たちが循環する生命の「わ」に入る、第一歩なのかもしれません。

People Care(人のケア/自分も人も大事にすること)

「人を大切にする」ときに大事なことは、一番身近な人、自分自身から始めるということです。自分を大切にできないのに他人を大切にするのは難しいし、自分をないがしろにしてまで他人を大切にする意味はありません。なぜなら、もし私たちが他人の役に立ちたいと思っているのなら、自分が他人の役に立つ最適な状態にあることが、私たちの最善の利益となるのですから。そして、「人への思いやり」は、自分という個人を超えて、家族、隣人、地域社会、そしてより大きな社会、ひいては全人類へと広がっていくのです。

引用元:Deep Green Permaculture

地球を大事にすること、その上に生きる私たち自身を大事にすること。
この二つは本来、分けて考えられるものではないと思います。
それでも、私たちはどちらかを大事にしすぎて、どちらかをないがしろにしてしまうことがありませんか?

まずは自分自身を大事にすること。自分自身に向ける気持ちを、自分という枠を広げて他者、そしてほかの命たちにも向けていくことができれば、私たちはお互いを豊かにすることができます。コーチングやNVC等のコミュニケーションの分野がまさに、このPeople Careにはとっても大切なのではないかと私自身は感じています。

Fair Share(公平な分かち合い/みんなで分かち合うこと)

自然に近いところで生活していると、私たちが自然を尊重し、生きるために必要なものだけを採取する限り、自然は私たちに必要なものを与えてくれているということに疑いの余地がなくなります。
(中略)
さらに、余剰生産物を共有し、技術、知識、経験を共有することで、人と人との絆が生まれ、コラボレイティブなコミュニティとしての意識が育まれます。
”Fair Share”とは何でしょうか?公平に分け合うことで、全員に十分な量が行き渡り、将来もそうあり続けることができる、ということなのです。

引用元:Deep Green Permaculture

私たちが生きる資本主義社会では、「より多くとった方が勝ち」という考え方がまことしやかにささやかれていますが、本当にそうでしょうか?社会関係資本という言葉もありますが、自然ではそれぞれが自分の本当に必要な分だけをとることで、命がつながっています。

私もまだ、この理想形がどのような形なのか、想像はつきませんが、お互いがシェアできるものをより簡単にシェアできるようになる。パーマカルチャーは、そういったシステムをデザインする手法でもあるのではないかと考えています。私たちはいつどこで、誰に何をシェアしていくことが出来るのでしょう?

さいごに

今回ご紹介した3つの倫理は、私の解釈もあいまって、とても理想的で、遠いもののように見えてしまったかもしれません。でも、これらは決して、守らなければ罰せられるものではありません。ときにはどこか欠けていたり、とがっていたり、それでも、その中にバランスがあり、調和が生まれる。そんな暮らしを一人一人が考え、デザインできたら素敵だなと考え、皆さんにご紹介しました。

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Noa

Noa

SOWERS libraryチーフライター

「本当に豊かな暮らし」を求めて、20代で世界中のエコビレッジやサステナブルなコミュニティに滞在。世界の生きたパーマカルチャーな暮らしに触れてきた。ライフワークはコーチング。現在、パーマカルチャーセンタージャパンにてデザインコースを履修中。 SOWERS創業メンバーであり、SOWERSlibraryのチーフライター。

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