パーマカルチャーには”正解”という明確な答えがあるものではありません。ですが、そこがまた、パーマカルチャーの魅力でもあり、好奇心がくすぐられる要素でもあるのです。
答えのないパーマカルチャーですが、パーマカルチャーを実践をするうえで、大切にしている”パーマカルチャーの3つの倫理(3 Ethics of Permaculture)”というものが存在します。
今日は、そんな、パーマカルチャーで大事にされている3つの倫理について、深い理解が語られているDeep Green Permacultureの記事を参照しながら、ご紹介したいと思います。
パーマカルチャーの3つの倫理(3Ethics of Permaculture)
パーマカルチャーのコアとなる考え方、行動指針とも言える、3つの倫理をご紹介いたします。
私がパーマーカルチャーを学んだ、PCCJのパーマカルチャーデザインコースでは、「そもそも”倫理”とは何なのか?」という問いから、このテーマについての講義とディスカッションが行われました。
詳細はここでは語りきれませんが、倫理とは、”人々が共に、よりよく暮らしていくために、大事にされる想い”のようなものなのではないかと考えるようになりました。
特にパーマカルチャーの3つの倫理の特徴として感じたのは、その表現方法(行動)が定められていないことにあるのではないかと思います。
規則に定められているような、”Have to(~しなければならない)”ものだからではなく、よりよい暮らしのために、”Better to(~したほうが良さそう)”だからやってみる。
そうして自分の頭で考えてやってみる過程に、人の創造力の可能性を見るのがパーマカルチャーなのかもしれません。
Earth Care(地球のケア/地球を大事にすること)
SDGsやエシカルが叫ばれる近年では、地球を大切にすることの重要性を少なからず理解する人も増えているのではないでしょうか?
そのなかでも、私が特に重要だと感じたのが、「土を大切にすること」です。
皆さんは土がどのように出来ているのかを知っていますか?
私たちと土のつながりをいつ、感じていますか?
私たちと土は、食べ物を通して常につながっています。
そんな土を私たちが育むということは、私たちが循環する生命の「わ」に入る、第一歩なのかもしれません。
People Care(人のケア/自分も人も大事にすること)
地球を大事にすること、その上に生きる私たち自身を大事にすること。
この二つは本来、分けて考えられるものではないと思います。
それでも、私たちはどちらかを大事にしすぎて、どちらかをないがしろにしてしまうことがありませんか?
まずは自分自身を大事にすること。自分自身に向ける気持ちを、自分という枠を広げて他者、そしてほかの命たちにも向けていくことができれば、私たちはお互いを豊かにすることができます。コーチングやNVC等のコミュニケーションの分野がまさに、このPeople Careにはとっても大切なのではないかと私自身は感じています。
Fair Share(公平な分かち合い/みんなで分かち合うこと)
私たちが生きる資本主義社会では、「より多くとった方が勝ち」という考え方がまことしやかにささやかれていますが、本当にそうでしょうか?社会関係資本という言葉もありますが、自然ではそれぞれが自分の本当に必要な分だけをとることで、命がつながっています。
私もまだ、この理想形がどのような形なのか、想像はつきませんが、お互いがシェアできるものをより簡単にシェアできるようになる。パーマカルチャーは、そういったシステムをデザインする手法でもあるのではないかと考えています。私たちはいつどこで、誰に何をシェアしていくことが出来るのでしょう?
さいごに
今回ご紹介した3つの倫理は、私の解釈もあいまって、とても理想的で、遠いもののように見えてしまったかもしれません。でも、これらは決して、守らなければ罰せられるものではありません。ときにはどこか欠けていたり、とがっていたり、それでも、その中にバランスがあり、調和が生まれる。そんな暮らしを一人一人が考え、デザインできたら素敵だなと考え、皆さんにご紹介しました。
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