最近、「エシカルファッション」という言葉をよく耳にするようになりました。
まだ聞きなれず、「どうしてそんなに注目されているの?」「普通のファッションとは何が違うのだろう?」という疑問をお持ちのかたも少なくないかもしれません。
今回は、エシカルファッションがファッション業界で注目されている理由と、一人ひとりが毎日の暮らしで簡単に始められるエシカルな暮らしのヒントをまとめました。
いま、注目されているエシカルファッションとは
エシカルファッションが注目されるわけ
エシカル(Ethical)とは「倫理的・道徳的」という意味で、エシカルファッションとは労働環境や、自然環境などに配慮されたファッションのことを指します。
エシカルファッションが注目されている背景には、2000年代から急拡大したファストファッションの影響があります。アパレル産業は、石油産業の次に二酸化炭素排出量が多いと言われ、使い捨て同然の服に多くの石油や水などのエネルギーが使われているなど、その課題が浮き彫りになりました。また、2013年、バングラデシュで8階建てのビルが倒壊した「ラナ・プラザ崩落事故」でその劣悪な労働環境の実態が世界中に知れ渡りました。
「自分たちが着る服が地球や人を害するものであってほしくない」
そんな消費者の声の高まりから生まれたのが「エシカルファッション」であり、若者を中心に多くの支持を得ています。
エシカルファッションの特徴と見極め方
では、エシカルファッションは普通のファッションとは何が違い、どう見極めればいいのでしょうか?エシカルファッションフォーラム(The Ethical Fashion Forum)という団体では、エシカルファッションを見極めるための10の基準をまとめています。
すべての条件を網羅することはなかなか難しいですが、こうした基準を知っておくことで、自分の服選びの目が変わったり、取り組みの意味を理解し、エシカルファッションを深く楽しめるようになったりするかもしれません。
エシカルファッションを見極めるための10の基準
- ファストファッション、安価なファッション、有害な「ファッションの消費パターン」への対策がある
- 公正な賃金、労働条件、労働者の権利の擁護している
- 持続可能な暮らしをサポートしている
- 有害な農薬や化学物質を使用する問題に取り組んでいる
- 環境にやさしい素材を使用、または開発している
- 水の使用量を最小限に抑えている
- リサイクルや、エネルギーの使い過ぎや廃棄の問題に取り組んでいる
- 持続可能なファッションのありかたを推進または開発している
- 意識を高めるトレーニングなどを行っている
- 動物の権利に配慮している
エシカルファッションの問題点
あえてエシカルファッションの問題点をあげるとすれば、エシカルファッションが免罪符のようになり、単に消費を促す「飾り」になってしまう可能性があることではないでしょうか。本当の意味で自然環境や生産者のことが考えられていなければ、結局は同じ問題に辿り着いてしまうからです。
これは、作る側だけではなく私たち買う側が感度高く、本当にエシカルなものを見極められるようになること、そして日々の生活でもエシカルな行動を意識することで避けることができる未来です。
パーマカルチャーからみるエシカルファッション
ファッションの循環を考えるパーマカルチャー
自然に則した循環をつくりだすパーマカルチャーの観点からエシカルファッションを考えるときには、「どんな商品を買うか?」だけではなく、
「誰から買うのか?」
「どう手入れするのか?」
「どう手放すのか?」
など、ファッションのサイクル全体から「エシカルファッションとは何か?」を考えてみることができます。
すべてを完璧に行う必要はありませんが、衣服をできるだけ長く使い、循環させていくために、日々の暮らしで私たちができる「エシカル」な行動を考え出すヒントになります。
毎日の暮らしから始めるエシカルファッションライフ
手入れの方法を見直してみる<長持ちさせる>
服は上手に手入れすることで、長持ちさせることができます。干し方ひとつでも変わりますので、大事にしたい服は素材にあった手入れの仕方を工夫してみましょう。ブランドによっては、リペア(修理)してくれるお店もあるので、調べてみるのもおすすめです。
古着に出してみる<次の人につなげる>
最近では古着に出す方法にもバリエーションが増えてきています。古着屋で買い取ってもらう以外にも、フリマアプリに出したり、段ボールで一括で寄付できたり、お店で回収してくれるところもあります。もしくは、玄関先に出して無料で提供したり、近所の人と交換することで、地域の人とのつながりをつくるきっかけにすることもできます。
着なくなった服は次の人のつなげることもまた、循環を生み出すアクションです。
自宅でリメイクやリサイクルしてみる<使い切る>
汚れや傷があって古着に出せない服はリメイクやリサイクルに回します。裁縫が得意であれば、マスクやエコバッグなどの日常の小物にリメイクできたら素敵ですよね。また、そこまではできないかたでも、小さく裁断して普段の食器洗いや掃除に使うことができます。自然素材であれば、使用後にそのまま土に返して循環させることもできます。
使えなくなった服を「ゴミ」にしてしまうのではなく、最後まで使い切る選択肢も考えていきたいですよね。
編集後記
編集を終えて
今回はエシカルファッションについて、お届けしました。実はこの記事を書くまで、私はエシカルファッションを「人と動物にやさしいもの」と漠然と考えていました。今回改めて詳しく調べてみると、エシカルファッションも目指すところはパーマカルチャーと同じく、「地球と人にやさしい世界」なのだという発見をすることができました。こうした取り組みは調べれば調べるほど奥の深い分野で、飽きることがないので今後も情報を集めて皆さんにお届けしていきたいと思います!
次回予告:おすすめエシカルファッションブランドのご紹介
「まずは、人や地球にやさしい衣服はどこで買えるか教えてほしい!」
そんな疑問にお答えするため、来週は私が実際に買ってみてオススメしたいエシカルファッションブランドをいくつかご紹介したいと思います。そちらもぜひご覧ください。
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